
神田にあるタイ古式マッサージ店、トンクーン(tonkoon)の訪問レポートである。
所謂「エステビル」と呼ばれるエステ店が密集した雑居ビルにて店舗を構えているお店である、私が以前このビルを訪れたのは5年以上前である。昔このビルにポップラックと言うタイマッサージ店が入っており、そのお店に一度訪れたきりでそれからは駅から少し離れているのもあり、駅近くのチャンタイに行くようになったのもありずっと訪問していなかったのである。
今年も実はチャンタイには2度程訪問しているのだが、相変わらずなラインナップと内容、良くも悪くも安定したお店であった。
ただの宣伝だと思われるのも私の意図する物と違うのでこのお店を客観的に表現させて頂くと、チャンタイで「マッサージが上手い」と心から思えるような方に当たった経験は無く、そして若い子にもここの所当たっていない。以前はたまに20代後半位であろう若い子にも当たった事があるのだが、ここ数年そんな子に当たった記憶が無い、基本的には熟した女性ばかりのお店だと思っておいた方が良いだろう。
マッサージの上手い女性も少なく(これはあくまで私の感想でしか無いが)熟した女性しか居ないお店に何故私が好んで何度も訪れるのか理解に苦しむ方も多々いらっしゃるだろうとは思うのだが、このお店にはそういう面以外での魅力を私は感じているからなのだ。
この日も本来ならばチャンタイに行こうと思っていたのだが、向かう途中の電車内でついでにとばかりに神田のタイマッサージ店を色々調べていた際、私はとある事を発見した。こちらのエステビルにはなんとタイマッサージ店が3店舗も入っている。
2Fがトンクーン、3Fがタイプーケ、そして4Fにバーンタイ。チャイエスであればそんなのは珍しくも無いのだが、1つのビルに3店舗もタイマッサージ店が入っているなんてのは都内で恐らくここ位じゃないだろうか?「そう言えばずっとこのビルに訪問していないな」と気づいた私は予定を変えて久しぶりにこのビルへと行く事にしたのである。
バーンタイはHPの雰囲気からして楽しいハプニングは起こらなさそうだと感じた為、候補からは除外させて頂いた。後はタイプーケかトンクーン、どちらにするかを決める為にHPを吟味した結果、タイプーケはリンパの文字があるコースがやけに高かったので普通のオイルコースを頼んだ場合もしかしたら何も無いのかもしれないと不安になった為にトンクーンを選択。
神田駅から少し歩いてエステビルに到着、前に来た時は雨が降っていた、しかも朝家を出る時には降っていなかった為に傘を持っておらず、結構な濡れ具合で店へとたどり着いたのを思い出した。予約もせずに店に入ったのだが普通にすぐに入れた。出迎えてくれたいかにもと言う感じのタイ人女性がそのままお相手となる、若くは無いのだが、色んな店で色んなタイ熟を見てきた自分には許容範囲・・・いや、むしろお綺麗な方に区分出来る位ではあった。
そんな彼女に案内され初めてのお店なのもあり無難にオイル60分を選択、チャンタイのそういうコースとほぼ同額、これで何も無ければ悲しくなる金額なのでいささか不安になる。こういう時錦糸町辺りの店は優しいシステムだと感じてしまう、錦糸町辺りでは有るとしても追加が前提の為基本コースの値段が安く、何も無かったとしても納得して帰れるからだ。
シャワーを済ませ部屋に戻る、個人的に嫌いなオイルコースなのにしばらく指圧をするタイプの施術をする嬢だった為に私のテンションは少し下降する。テンションが下がっていた為こちらから嬢に話しかける事も無く、しばらくは無言でマッサージを受けていたのだが
「キョウヤスミ?」
と、この手のお店に限らず美容院等でも良く聞かれるこの全く面白く無い質問から彼女とのコミュニケーションはスタートした。美容院でこの手の質問をされる度に「お前本当にそれ聞きたいか?」と正直私は辟易している。そんな質問をもう何十回とされてきた為、そこから会話が発展するパターンも大体網羅してしまっているからだ。
私は正直に「仕事帰りだよ」とか「仕事の途中だよ」と答える場合が殆どなのだが、この時ちょっとした悪戯心が芽生えてしまった。余り詳しく書くと万が一店の方が見たらバレるのでが詳細はぼかさせて頂くが、ここで私は嘘をついてみた。
美容院等で今回彼女に告げた事と同じ嘘をついた場合、冗談だと思われて笑われるか、もしくは「この人やばい人だ」と思われてその後会話が全く無くなるかの2パターンしか無いような突拍子も無い物なのだが、彼女はすんなりと信じてしまった・・いや、もしかしたら客商売なので信じたフリをしてくれているだけなのかもしれないが、その私のついた嘘に対して色々と聞かれ、私と彼女は物凄く会話が盛り上がっているような雰囲気となった。
ただし私の内心はちょっと見栄を張って友達に嘘をついたら引っ込みが付かなくなった小学生のようになっていた、もしかしたらつい最近辞任された都知事・・・いや、元都知事の方もこんな感じの心情だったのかもしれない。
打ち解けてしまうと彼女の際どい部分への反応もアクティブにしやすい物で、彼女の手が際どい部分を掠める度に気持ち良さそうな反応を半分は演技なのだがしてみると、彼女も満更では無い様子。その後の会話で「コノオミセハジメテ?」と聞かれた私は「もしかしたらここがポイントになるかもしれない」と考えた。
最近は昔よりそんな店は減ったのだが「2回目ルール」がお店によっては存在する場合があるからだ。そこで私は正直に「ポップラックだった頃に来た事があるよ」と答える。そして続けざまに「その頃から居た?」と聞く。女の子は当然「ワカラナイ」と答える。それはそうだ、ポップラックがあったのはもう5年以上前なのだからむしろ彼女が知っていたら驚きである。
しかも、この記事を書きながら調べてみた所、どうやらポップラックがあったのは4F、つまりは現在バーンタイになっている場所でこちらのお店は全く関係が無いのだから余計に彼女が知っている訳が無いのである。
ただその時の私はそこがポップラックの跡地に出来た店だと思い込んでいた為に「そうなんだ、このお店は長いの?」と質問をこちらから返し会話の主導権を持って行った。そして私がこのお店には昔から来ているような雰囲気を彼女に与える事に成功したようだ。彼女がまだこのお店に来てそんなに日が経っていなかったのも功を奏したようである。
その後の仰向けからのお決まりの流れですっきりしたのだが、もし先程の質問に「初めてだ」と答えていたらもしかしたらこれは無かったのかもしれない。さらには在籍が長い子だったら先程の質問でも「つまりはこのお店になってからは来ていない」と真意を読み取られて駄目だったのかもしれない。そんな事を考えるとこれは私の力で勝ち取った物のように感じられてなんとなく自分が誇らしく思えた、私の自尊心は大変にちっぽけなのでこんな些細な物でも満たす事が出来る。
その後、私はねぎしにて夕飯を済ませて帰宅した。ねぎしは麦めしお代わり自由なので大変有り難いのだが、とろろも一緒に頼むとどこまでも食べ続けられるような気がしてついつい何度もお代わりをしてしまい、店を出る時若干気恥ずかしくなる位に食べ過ぎてしまうのだ。
子供の頃牛たんと言えば焼肉屋位でしか食べる事が無かったが、牛たん屋と言う物が都内各所に出来てからは一人でも気軽に牛たんを楽しめるのが私のような一人者にはとても有り難く感じる、精神的にも肉体的にもこの日は満ち足りた気分で私は家路へと向かった。