小岩にあるエステ店、ポームに訪問した時のレポートである。この日私は本来の目的が別にあり、秋葉原へと向かっていた。秋葉原には1年に一度訪れるか否か位である為に毎回街の様相が変わっているのに驚く。
しかし相変わらず駅前の通称エウリアンと呼ばれる胡散臭い絵の勧誘はまだ居た。あの手の店で取り扱っているのは「シルクスクリーン」と言う簡単に言えば上質なポスターのような物で幾らナンバリングがされているとは言ってもそのナンバリングには特に価値は無いし、当然刷ろうと思えば幾らでも刷れる物なのだから数十万なんて出して買う価値は無いのだ。
こんなものに引っかかる人間なんて居るのだろうか・・・と、書いた所で10年程前に知人が引っかかっていたのを思い出した。
彼は騙されたのは恐らく自分でも判っていたのだろうが、プライドがそれを認めたがらなかったようで「俺が良いと思って買ったんだから良いだろ?」とクーリングオフを薦める私の声にも耳を貸さなかった。それ意外にも彼はマルチ商法にもハマっていたりとその手の業種のカモになりやすいタイプのようだった。
彼の人柄は悪く無い、むしろ人が良い故に断りきれなかったのだろう。世話になった事もあったので一応助言はしたのだが、やはり口論になってしまいその後疎遠となってしまった。なので彼が今どうしているか知る術は私には無い。元気でやっていてくれればそれで良いのだが少しだけ心配である。
そんな事を考えつつ用事を済ませた私は、帰りがけにどこかに寄っていこうと考えた。秋葉原で一応物色はしたのだが展開のなんとなく読める雰囲気のお店ばかりで余りそそらず、そこで思いついたのがこちらのお店である。秋葉原からなら総武線で1本である為アクセスも悪く無い。
15分程で小岩に到着した、しかし私はそこで愕然とした。改めてHPを良く見ると小岩は小岩でも京成小岩の駅であった。秋葉原の時点でそれに気づいていれば恐らくは別のお店に訪問していたであろうが、ここまで来てしまったのだから仕方ないと私は歩く事にした。
以前バイリンスパに訪問した時も同様に京成小岩まで歩いた事はあるのだが、あの時は最初から歩く気構えでいた為に精神的には苦痛に感じなかった。しかし今回は全く予想外、同じ歩くのでもこれには大分精神的苦痛を感じてしまう、例えるならばマラソンでやっとゴールだと思ったらゴールをあと1km引き伸ばされたような物だろうか?いや、それは少々大げさか。
とにもかくにも精神的及び肉体的に疲弊しつつ私はお店へとついた。これでハズレ店だったら目も当てられないと思いつつ店舗のチャイムを鳴らす、すぐにドアが開き出迎えてくれたのはHPの通りに熟した女性であった。HPには熟未満とあったがそれはナイトネット基準で有り一般的な感覚では間違いなく完熟である。
ソファーに案内され料金表を見せられた、HPのキャンペーンでは70分で8000円か100分で10000円と記載がある、100分を選んだ方が時間単価的には得だと考えそちらを選択する。
シャワーをセルフで済ませうつ伏せになる、指圧はそこそこ上手であった。オイルも悪く無い。これで後半もこのレベルであれば再訪するだろうと考えていた。
そして施術は進み徐々に彼女が私のアイデンティティに近づく、決してアイデンティティには触れないが近くまでは積極的に踏み込んでくる。しかしそれ以上踏み込んでくる事は無い。最初はテンションが上がっていた私だったが、それが暫く続くと嫌な予感がしてテンションも落ちてしまった。
仰向けになり望みを繋ぐが、案の定仰向けでもギリギリまで攻め込んでは来てくれるのだが、所詮はギリギリ止まり。肝心な手はアイデンティティには攻め込んではこないのだ。お陰で仰向けでは全く反応しなくなってしまった。
彼女からセルフでならとの声かけはあったが、肝心の私がそんな感じなのを見て「大丈夫」と答えるとすぐにそれは終了した。あとは時間まで普通にマッサージを受けて終了。私は直接攻撃が来るまでは一切こちらからは何もしない場合が殆どなのでどれほどコミュニケーションが取れるかは不明である。
健全店としてみるならば悪くは無いが、そっち方面を期待して行くとがっかりするだろう。その他詳細は省くが色々とこのお店には私は合わなさそうだと施術後のやりとりでも感じたので再訪する事は無いだろう。
秋葉原のエウリアンの事を思い返しつつ再び総武線へと乗り家路へと着いた。