上野にあるタイ古式マッサージ店、タンタワンビューティーの訪問レポートである。
前回訪問を試みるも待ち時間がかなりあった為に断念したこちらのお店であるが、今回は私にしては珍しく数時間前に予約をしてから訪問をした。
場所はこのお店の恐らくは前進であるヨーコビューティーと同じく上野アルベルゴ内である、人の出入りがかなりあった為本当はいけないのかもしれないが前の人が入るのに続いてそのまま入らせて頂いた。
するとエレベーターホール横の掲示板に赤く大きな文字で恐らくはアルベルゴに多々存在するであろうお店への警告文が貼り出されていた、平成の九龍城等と呼ばれていた魔窟も、いつまでも魔窟では居られぬと言う事なのかもしれないが、アルベルゴが完全に健全化してしまったら少し寂しい物である。
部屋のチャイムを鳴らすと出てきたのは店主らしきスタッフであった。
そのまま部屋に迎え入れられる、彼女が担当なのだろうかと思ったがどこかに電話をかけ、そして少しして別のスタッフが部屋に入ってきた。
いかにもタイの方らしい風貌の店主らしき方に比べると次に入ってきたスタッフはタイの方にしては薄目である。ただそれは決して悪い意味では無くむしろ可愛らしいと感じる方であった。
準備をを終えるとうつ伏せからマッサージ開始。
普通タイのオイルは足から始まり両足を終えてから上へと移行するような手順の場合が多いのだが、彼女の施術はとても独特だった。
片方の足を終えると反対側の上の施術をし、次にまた下に戻り先程とは逆の足をしてまた反対側の上・・・と、クロスを描くかのような手順でマッサージをしていた。
我流なのか習った所が独特なのかは判らないが、技量は悪く無い。
むしろ全体的なレベルで言えば相当上手な方だ、素直にそれを褒めると彼女はニッコリと微笑んだ、とても可愛らしい笑顔だった。
私はその笑顔だけでなく施術の技量や、真面目な手つきも含めてとても好印象を持った。
そんな彼女の上手で真面目な施術は最後まで続き「そろそろ終わりですがシャワーはどうされますか?」とのお声がけを頂き終了。
彼女は大変に素晴らしい女性であったのだが期待と落胆のジェットコースターを二度は味わいたく無いのもあり、私がもうこちらのお店に行く事は無い。過ぎた日は及ばざるが如しなのだが、以前のお店の事を思い出すと余計に寂しい気持ちになってしまう。
こんな寂しい気分の時には辛い物でも食べてせめて身体を暖めようと思い私は御徒町駅へと歩いた、目的地は蒙古タンメン中本である。
北極の熱さと辛さがきっと私の心に渇を入れてくれるだろうとそんな風に考えたのだ。
しかし、時間帯が悪かったのかお店の前にはそこそこの人数が並んでおり、並ぶのが嫌いな私はすぐに他のお店を探した。
するとすぐ側に以前は無かったカレー屋が出来ている、POPには「神田カレーグランプリで殿堂入り」等と書いてあり、人もそこそこ入っていた為、辛い物が食べたかった私は迷わずそこに入る事にした。
美味しいカレーだったが、この時の私の気分には合わなかった。
むしろこの日の気分にはカレーだったらデリーに行ってカシミールカレーを頼んだらぴったりハマっていた事だろうと思う。
この日はエステも食事も「思ってたんと違う!」と、叫びたくなるような結果に終わってしまい、身体は上手なマッサージのお陰で快調なのだが心はどんよりとした心持ちで帰路についた。