ナイトネットにこちらのお店が掲載されたのは去年だっただろうか、ただそれよりもかなり前からこちらのお店はひっそりと営業されていたようだ。
その頃から店の存在は知っていたのだが、ネット等でちらほら見かける情報を見る限りそこまで楽しい思いは出来そうに無かった為ずっと敬遠していた。
しかし、自分の目で確かめたいと言う思いはずっと捨てきれずに結局私はこちらのお店を実際に訪問してみる事にしたのだった。
簡素なHPでは殆ど情報が得られなかったのだが、とりあえずHPの指示通りに赤羽駅西口にて電話をしてみる。
数回のコール音の後に電話に出た方は声だけでも明らかにかなりの年代だろうと言うのが想像出来るような感じであった。
電話にて道案内をして頂いた通りにバスに乗り到着したのはとある団地であった。
私が幼少時代を過ごした所にもこのような団地が有り、団地の敷地内で友達と良く遊んでいたのを思い出し少し郷愁に思いを馳せつつ教えられた部屋へと向かう。
出迎えてくれたのは正に普段着と言ったいでたちの60を過ぎててもおかしくないような熟女。
そして店内(と言う表現が正しいのかが判らないが)も生活感に満ち溢れている。リラクゼーション等と言う要素は一切感じられないインテリア、私はもしかしたらとんでもない所に来てしまったのかもしれないと内心ではうろたえて居たが、外面にはそれを出さぬよう勤めて平静を装った。
シャワーに案内されるが当然そこも一般的な家庭の、それも昭和を彷彿とさせるようなものである。綺麗好きの方だったら少し足を踏み入れるのを躊躇してしまうかもしれない。
私もつとめて素早く身を清めタオルで拭いて部屋に戻る。タオルがカビ臭かったりしなかったのが救いであった。
マッサージの流れ自体は普通、力強さもまずまずで予想よりは良かった。
ただしマッサージ中も結構な割合で話しかけてきて、しかもそれが余り私の興味をそそらない物が殆どであった為に愛想笑いをしながら相槌を打つのに精神的に疲れてしまった。
しかしここで彼女の機嫌を損ねてしまった場合、その後に影響を及ぼす可能性がある為、勤めて愛想良く振舞った。
背中や足裏の施術を経てだんだんと手は核心部分に迫り、うつ伏せの段階からも太ももの施術の際には積極的に攻め込んでくる、正直私はいつも他のお店でこのようなマッサージを受けている時にうつ伏せだと相手の顔等が見えない事に少し残念かつ歯がゆい思いを感じていたのだが、ここのお店の場合はむしろそれが幸いした。
その後程なくして仰向けコールがかかり、私は現実に引き戻された。
仰向けになってからは「ああ、やっぱり」な施術が始まる。
単純な物だけではなくちょっと珍しい技も見せてくれた。それが何かについてここで言及するのはあえてやめておくが、特段に心地の良い物では無かったとだけ補足しておく。
ちなみに余り気は進まなかったが調査の為(?)こちらからもコミュニケーションを取ろうと試みたのだが、それに関しては一切拒否と言った感じだった。
不完全燃焼ながらも一応終了。
その後はまたシャワーを浴びて着替えて、お茶を頂きつつ彼女のお話をまた愛想笑いを浮かべながら相槌を打ちつつ拝聴して終了。
こちらのお店は内容だけ見れば決して人に薦められるような物では無い、そして私も再訪する気は全く無いのだが店に案内されて実際に訪問するまでのあのなんとも言えない緊張感と、到着して部屋に入った時の奇妙な感情は実際に味わって頂きたくもある。
普通のお店では絶対に経験出来ない貴重な体験が味わえるからである。